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2011年3月に発生した福島原発の事故発生後、現在も仮設住宅等での避難生活を強いられている被災地の方々の状況をお伝えすると共に、支援の呼びかけなどを行わせて頂いております。


by momofukuoka
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被災者の苦しみ

私のブログをお読み頂いております皆様に心から感謝申し上げます。5月のブログは私の健康(難病)の状態が良くなかったために、書くことができず休んでしまい申し訳ございませんでした。《福島の現実》ブログは私の命がある限り、可能な限り続けさせて頂きたいと思っております。今後とも宜しくお願い申し上げます。尚、健康上また書けない時があるかもしれませんが、その節にはお許し下さいますよう宜しくお願い申し上げます。


【風評被害の意味と傷の大きさ】
さて私は、最近ショッキングなことを体験致しました。最近私は引越しをしましたので、ご近所の挨拶回りに行って参りました。皆様は快く応対してくださり、中には親しく付き合うことを楽しみにしていると言われた方もおられました。ショッキングな出来事は、その親しく対応して頂いた方に再び用事があってご家庭を訪問させて頂いた時の事でした。最初彼女は私の訪問を喜んでくださり、玄関先でしたが色々とお話をしてくださいました。しばらく親しくお話をさせて頂いた後に、「奥様はどちらご出身ですか?」と尋ねられましたので、「福島の会津生まれです」と答えますと、彼女の態度は一変し、〈あなたとは交流したくない、関わりたくない〉という拒否と圧力を感じましたので、私は思わず「東京に来て50年になるんですけど」と自己弁護してしまいました。しかしもう私の言葉や説明は何も聞いておらず、〈あなたとは関わりたくない、早く出て行って〉という、圧力だけでした。私はその家を立ち去りながら心にショックを受けつつ、福島の被災者の悲しみはもっと深い、というやるせない気持ちと、自分は50年前に東京に来たんだと自己弁護をした自分が情けなくなりました。
 
〈福島〉という言葉を聞いただけで、拒否感を抱く人々の思い込みの根深さは何なのか? 私は知りたいと思いました。同時に、福島の人の苦悩と悲しみの大きさ深さをいっそう強く身近に感じました。原発の事故が福島の人の人格を取り返しがつかないほど傷をつけ、人格拒否のレッテルを貼ってしまっていることの恐ろしさ。簡単に風評被害と言いますが、風評被害の意味と傷の大きさを、その現実を私たち日本人は知らなければならないと思いました。
 
 
【「福島の復興なくして日本の再生はない」はずが・・・】
そして皆様に繰り返しお伝えしたいと思いますが、福島の被災者は東電の電力を使っていないのです。東電の電気を使用しているのは関東の方々なのです。福島の方は自分の土地を東電に貸しただけで、犠牲者になってしまったことを、重ねて申し上げたいと思います。東電の建設にのぞんで福島の多くの方々は原発を恐れ、建設に反対したと言います。しかし住民の意に反して東電は1971年3月26日に福島第一原発1号機の運転を開始しました。常に双葉郡の住民は原発に不安だったと言います。そして、原発稼働を始めて40年後の2011年3月12日には1号機の、14日には3号機の原子炉建家が爆発してしまいました。そして放射能は風に乗って福島に、関東に、太平洋沖まで流れ各地を汚染してしまいました。
 
皆様、福島の復興は遅々として進んでおりません。賠償問題も解決しておらず、ライフラインも整わず、被災者の故郷はむしろ荒地と化しています。今は動物たちの住処となり、無人と化した故郷。自宅は壊れ、食糧や生活品を売る店もなく、無医村となった故郷。このような人の住めない環境に国は既に帰還宣言を出しました。ほとんどの仮設住宅は今年の3月31日で閉鎖となりました。そのために行き場のない被災者は、故郷に帰り不自由な思いをしています。帰られた方は、一人暮らしの高齢者で体の不自由な方が多く、「帰ったけれど、店も病院も友達もいないし食べる物も無いので、どうして良いかわからない!野菜は何とか作るけど肉や魚が無い!」(87才、足腰悪く、目が霞んで見えない被災者)と、私が電話すると本音を話して下さいます。(私は食料を買い求め、送る様にしています。)
 
「福島の復興なくして日本の再生はない」と公言された安倍総理は、福島を忘れてしまったのでしょうか? 福島は無かった事にしたいのでしょうか? 国をあげて福島の被災者を救うどういうあの約束はどうしてしまったのでしょうか? どうぞ皆様、福島の現実を周りの皆様にお知らせください。よろしくお願いいたします。被災者の叫びや悲しみ苦悩を、どうぞもう一度周りの方にお知らせください。そして、東電の電気を福島の人は使っていない事を、土地を提供しただけで犠牲になったことを。原発の再稼働は私たちの身に同じことが起きる可能性があることを。
 
皆様、日本には20ヶ所に原子力発電所があります。原発についてネットで調べてみますと、日本はアメリカに続いて世界第3位とのことで驚きました。原発は福島第一原発を含54基とありますが、今は福島第一原発が廃炉作業中なので、現在の原発の数については、私は未確認です。現在稼働停止中の所もあり、再稼働をした所もあり、新しく建設計画の所もあるとのことです。皆様、一度、原子炉の爆発が起こると、日本だけでなく世界に放射能を拡散することになるのですね。
 
 
【被災者の声】
《浪江町、60代女性一人暮らし 》
「自宅の周りには誰もいません。夜は周りは暗いです。家は雑草が生い茂り一人で草取りをしています。店がないので自動車で隣の街に買い物に行きます。被災して避難してから6年間一度も熟睡したことがありません。睡眠剤も安定剤も効かず、2時間ぐらいで目覚めていました。しかし不思議と故郷に帰ったら、熟睡ができるのです。やっぱり自分の家は良いですね。一人だけれど頑張ります。こうして電話で声を聞くと近くにいる様で安心して心安らぎます。」
 
《浪江町、58才母子家庭》
「昨年末、復興住宅に入れました。家は帰宅困難区域です。災害後父の墓参りもしていません。墓参りも許可をもらわずには行けないのです。お墓も倒れたままなんです。この頃東電の人は50代の人が亡くなっています。子供も甲状腺がんの人が多くなっています。一緒に小学校に行っていた子も骨髄がん症になりました。年に1回学校で甲状腺の検査があります。健康診断は年に1回町の方であります。」
 
《川内村]、87才女性、一人暮らし、足腰悪く歩けない、目が悪く人の顔がよく分からない》
「6年間来なかったので、来てみたら草ぼうぼうで開拓するみたいだ。やっと歩いているのによ~。川内に来たけど不便だ! 買うとこね~だもの。何もね~だもの。牛乳、魚、肉も買う所がない! 食べ物無くなった。隣近所から差し入れしてもらった! 車ある人は行けるけれど、タクシーは無いのだし、店まで4.5キロもある。足悪いので行けない。友達はいたけれど皆デイサービスに行っている。役場の説明では、デイサービスは90代でヨタヨタしている人、足を手術した人が該当すると言われた。私は足が悪いけれど杖にすがりながら歩けるので該当しないと言われた。一人で何もできないので寂しい! 頑張って畑に野菜を作ろうかと思う!」
 
《川内村、72才女性、一人暮らし》
「川内村に帰るようにと国から言われても、川内村には病院がないために透析の人は困っていました。皆、心が疲れています。帰るには帰ったけど次に何をしたら良いかを考えることができないでいます。みんなストレスで思考力が止まっています。村には救急車が1台しかありません。一人救急車が出たら後は頼めなくなります。川内村は空き家がすごいです。双葉郡の内、川内村は一番先に避難指示が解除されたのですが、私の家は20キロ圏外なので東電からの賠償金は出してもらえません。屋根が壊れ雨漏りをしていますので、東電に随分請求しましたが、自費でするようにと言われ、困っています。年金もどんどん引かれる一方です。同じ村なのに20キロ内は賠償金があるので新築することができますが、20キロ圏外の人には賠償金が出ないので、家の修理もできないでいます。災害前には無かった、お金をめぐってのトラブル、除染も差が有るために、村でのトラブルが生じるようになりました。あんなに仲が良かった村人だったのに。」
 
皆様。被災者に対しての国の対応は、余りにも残酷、冷酷とは思いませんか? どうぞ福島の被災者をよろしくお願い申し上げます。
 
 



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【支援品をよろしくお願い申し上げます】
ご支援をいただけます方は、被災者をご紹介いたしますので、福岡百子までご連絡くださいませ。
〈問い合わせ〉
福岡百子 携帯メール f.mom.1941@ezweb.ne.jp  FAX 047-346-8675
(恐れ入りますが、これらの連絡につきましてはAM11:00~PM5:30までの間に頂けますようお願いいたします。なお、すぐにご返事ができない時もありますので、申し訳ございませんが、再度ご連絡くださいますよう、お願い申し上げます。)


※当ブログは福岡氏より委託を受けた、前野賢一郎(maeken24@ybb.ne.jp)が更新作業等の管理・運営を行っております。

なお、英語版ブログ Reality of Fukushima (Voice of Momoko Fukuoka )http://momfukuoka.blogspot.jp/もあります。
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by momofukuoka | 2017-06-10 07:53 | 福島の被災地の現状