2011年3月に発生した福島原発の事故発生後、現在も仮設住宅等での避難生活を強いられている被災地の方々の状況をお伝えすると共に、支援の呼びかけなどを行わせて頂いております。


by momofukuoka
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被災者からの手紙(南相馬市の住民)8 〈突然の病〉

 〈突然の病〉

地震だ!

津波がくる

原発(原子力発電所)が爆発した

逃げろ!

子供達は

家は大丈夫か?

遠のく意識

パニックを起こした、脳みそ

薄れゆく意識の中で

震災の記憶がかけめぐる

夜が過ぎ

朝が過ぎ

二日目が過ぎた

倒れたままのトイレの中で

遠くに携帯電話の呼び出し音

「ここに居るよ」と思いながら

空しく時間が過ぎて

又、携帯の呼び出し音

焦る気持ちとは裏腹に

手が、足が

身体が動かない

又、しばらくして

「明かりがついてる」と誰かの声

玄関のベルが鳴る

何度も何度も繰り返し鳴るベルの音

「助けてくれ、ボクはここに居る」

叫んでいるはずの声は

喉の奥で消えてゆく

時は容赦なく流れて

確実に近づいてくる

死の足音

外でみんなが騒いでいる

「郵便が溜まってるぞ」

サッシの窓を

誰かが激しく叩いている

悲痛に叫ぶ姉の声

「きてくれてありがとう」

声をふりしぼるが届かない

とめどなく涙がこぼれる

姉の声が、足音が遠ざかる

それからどれだけの

時が流れたのだろう

「ガタ!ガタ! バリ!バリ!」と

玄関を打ち破って

入ってきた見知らぬ人

絶叫する姉の顔

普段、とりたてて

話すこともなかった

仮設住宅の人が

ボクを助けてくれた

かすかに聞こえる救急車の音

何度となく

死を覚悟しながら

助け出されたこの生命

これからどう生きたらいいのだろう
by momofukuoka | 2013-05-18 17:52 | 被災地の方々からの手紙