2011年3月に発生した福島原発の事故発生後、現在も仮設住宅等での避難生活を強いられている被災地の方々の状況をお伝えすると共に、支援の呼びかけなどを行わせて頂いております。


by momofukuoka
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〈無題〉

転々と避難所から避難所へ

何度も何度も繰り返し

ようやく、辿り着いた仮設住宅

四畳半一間の不自由に囲まれた、

異様な空間。

眠れない夜がつづく

苛立ちと絶望が交差する先の見えない不安

「もう、だめだ! 頭が変になりそうだ!」

昨日そう言っていた人が

フラフラと今日も歩いている

こんな事をこの先、

何年繰り返せばいいのだろう

「頑張れ!」と言われても、

「立ち上がれ!」と言われても

「前を向け!」と言われても

どこへ向かって進めばいいのだろう。

折角、震災の中を生き延びたというのに

自らの命を絶つ人が後を断たない。

そういうボクも紙一重の毎日、

そんなボクの折れそうな心を

支えてくれたのはあなたです。

日本中のあなたのはげましや支援のおかげで

辛うじてここにいます。

たすけてくれて「ありがとう!」

助けてくれる人が居るから

「すごい!!」

そのやさしさがうれしい、

心強い。

その感謝の気持ちを伝えるために

精一杯の強がりと

精一杯の笑顔で

「がんばります!」

「負けません!」と

差し伸べてくれたあなたの手を握りかえします。
# by momofukuoka | 2013-05-19 17:48 | 被災地の方々からの手紙
 〈突然の病〉

地震だ!

津波がくる

原発(原子力発電所)が爆発した

逃げろ!

子供達は

家は大丈夫か?

遠のく意識

パニックを起こした、脳みそ

薄れゆく意識の中で

震災の記憶がかけめぐる

夜が過ぎ

朝が過ぎ

二日目が過ぎた

倒れたままのトイレの中で

遠くに携帯電話の呼び出し音

「ここに居るよ」と思いながら

空しく時間が過ぎて

又、携帯の呼び出し音

焦る気持ちとは裏腹に

手が、足が

身体が動かない

又、しばらくして

「明かりがついてる」と誰かの声

玄関のベルが鳴る

何度も何度も繰り返し鳴るベルの音

「助けてくれ、ボクはここに居る」

叫んでいるはずの声は

喉の奥で消えてゆく

時は容赦なく流れて

確実に近づいてくる

死の足音

外でみんなが騒いでいる

「郵便が溜まってるぞ」

サッシの窓を

誰かが激しく叩いている

悲痛に叫ぶ姉の声

「きてくれてありがとう」

声をふりしぼるが届かない

とめどなく涙がこぼれる

姉の声が、足音が遠ざかる

それからどれだけの

時が流れたのだろう

「ガタ!ガタ! バリ!バリ!」と

玄関を打ち破って

入ってきた見知らぬ人

絶叫する姉の顔

普段、とりたてて

話すこともなかった

仮設住宅の人が

ボクを助けてくれた

かすかに聞こえる救急車の音

何度となく

死を覚悟しながら

助け出されたこの生命

これからどう生きたらいいのだろう
# by momofukuoka | 2013-05-18 17:52 | 被災地の方々からの手紙
〈無題〉

例えば、

ここでこのまま私が

死んだとしても

驚かないでください。

慌てないでください。

あの日(震災)

別々のくらしが始まった時から

わたしには覚悟ができています。

仮設に移ってから

二回目の冬がきて

一人ぐらしは

思っていたより

遥かに辛いものです。

灯りを消して

滑り込んだ布団の中で

訳もなく涙がこぼれたり

大声で叫ぶ苛立ちもある

それでも仮設住宅は

嫌なことばかりではなく

八〇歳過ぎの

汚い婆さんに

優しく声をかけてくれる人がいたり

散歩に誘ってくれたりもする

カラオケが年甲斐もなく

楽しかったり

嬉しかったり

心が弾んで

臆病者のわたしが

身の上話をしたり

ここでのくらしも

満更でもなく

確かに先の見えない

不安がない訳ではないが

まぁ、こんなものかと・・・・・。

例えばここで、

このまま死んだとしても

決して不幸だなどと

嘆かないで下さい。

力一杯に生きてきたのだし、

これから先も

わたしの身の丈分の

がんばりで

しなやかに、したたかに

笑って生きていくのだから

心配はいらない

笑顔は流行病のようなもので

他人には直ぐ移るものだから

笑ってさえいれば

そのうち又、

わたしに戻ってくるよ。

案外と

八〇歳過ぎの婆さんも

逞しいものさ

心配はいらない。



           子供達へのメッセージ
# by momofukuoka | 2013-05-17 18:02 | 被災地の方々からの手紙
何だ!

何なんだ!

地の底から、きこえてくる

はらわたを引きちぎるような

不気味な、呻き声は、

突如、大地が裂け

山が呻き

恐怖におののき

逃げ惑う人々

絶叫と悲鳴の後には

瞬く間に瓦礫の山ができた。

松林の遥か上空を越えて

猛り狂った海が

悪魔と化して、襲いかかる

船が、自動車が、家屋が、

押し流され

としよりが、子供が

津波に呑みこまれる。

チキショウ!

悔しさと行き場のない憤りが

頬を伝う。


「ドーン!」

今度は何だ

数十キロも離れた

俺のところへ

背骨もきしむ、地響き

原爆が落ちた

脳裏を広島がよぎる

東京電力

福島第一原子力発電所

水素ガス

大爆発である。

逃げろ! 逃げろ!

はやく! 速く!

遠くへ! できるだけ遠くへ

見えない敵

放射能から

一目散に逃げる

一体、どこへ逃げればいいんだ

日本中を

丸ごと揺さぶる

悪魔の所業に

東北は地獄を見た


こつ!こつ!と

純朴で

ただひたむきに生きてきた

みちのくの人々が

こんな裁きを受けようとは

思いも寄らぬはずだ

だが、もう嘆くまい

鋤を手に

鍬を手に

ひたすら粘り強く

この地を切り拓いてきた

脈々と

受け継がれてきた伝統が

我々にはある。

負けてたまるか!

負けてなるものか!



平成二十三年三月

東日本大震災

原発避難民

(手を差しのべてくれた全ての人々に深く感謝)
# by momofukuoka | 2013-05-16 21:03 | 被災地の方々からの手紙
〈寂寥〉

ほんの何日前に

「元気でいようね!」と

約束したのに

一人こんな所で(仮設住宅)

あまりにも哀しく

一言の別れもなしに逝ってしまった。


「もう少し待ってね!」と言ったら

飛び切りの笑顔で

たこ焼きの

焼き上がりを待っていたあなたも、

あっさりと、いつの間にか居なくなった。


ダンディな帽子に

ステッキ突いて

おしゃれに散歩していた

ロマンスグレーのあなたも・・・・。


あれから(震災から)

二回目の冬がくる。
# by momofukuoka | 2013-05-15 21:09 | 被災地の方々からの手紙