2011年3月に発生した福島原発の事故発生後、現在も仮設住宅等での避難生活を強いられている被災地の方々の状況をお伝えすると共に、支援の呼びかけなどを行わせて頂いております。


by momofukuoka
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カテゴリ:被災地の方々からの手紙( 18 )

大熊町の現在

福岡百子様

拝啓 吹く風にも秋の気配を思わせるこの頃ですが、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

さて、9月19日 秋の彼岸入り 大熊町のお墓にお墓参りに行きました。大熊町の一時立ち入りについて、お知らせいたします。

大熊町は帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域に再編されました。富岡町、浪江町、双葉町も同様です。帰還困難区域は自由に立ち入りすることができないのです。

一時立ち入り開始のお知らせが届きます。福島県のコールセンターに電話で申し込みます。一時立ち入りは双葉町、富岡町、浪江町で1日200世帯と決まっております。こちらの要望日をお願いして空いていれば可能です。空いていなければ変更します。

大熊町は今泥棒が横行し、各家庭泥棒に入られております。我が家も入られました。役場に連絡すると「警察署に届けてください」との返答。そこで警察に届けると、現場検証をするでもなく「受理しました。何か出てきたら連絡します」と言うだけ。ほとんどお役所仕事です。

そこで、大熊町の至るところにバリケードが設置されました。すぐ目の前に自宅があっても、バリケードがあることで遠回りすることになります。なんともやりきれない思いです。

複雑な書類申請をして、複雑なバリケートの中を立ち入りお墓参りをする…。
この複雑さが大熊町に帰還するのをあきらめさせる要因なのです。


大熊町住民


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【被災地への支援に関するお問い合わせ】
福岡百子
FAX 047-346-8675
携帯 080-5547-8675          
f.mom.1941@ezweb.ne.jp
(恐れ入りますが、これらの連絡につきましては
AM10:00~PM5:30までの間に頂けますようお願いいたします)

なお、こちらのリンク先には現在被災地から要請を受けている、具体的な支援品のリストを掲載しております。併せてご覧いただければ幸いです。

※当ブログは福岡氏より委託を受けた、前野賢一郎(maeken24@ybb.ne.jp)が更新作業等の管理・運営を行っております。
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by momofukuoka | 2013-09-30 20:37 | 被災地の方々からの手紙
  〈生きる〉

二年も経ったら

換気扇が、ドロドロで

四畳半は

足の踏み場もない

長く居なきゃならないなら

ここに棚が欲しい

そうは言っても、

どうにかなる訳でもなく

炬燵を隅っこに押しやる

今日は何があっただろうか

明日は、と、思いつつ

ただ朝を待つだけの

布団に潜り込む


眠れない夜がつづく
by momofukuoka | 2013-05-25 15:47 | 被災地の方々からの手紙
〈やさしさ、が〉

ヒョコ、ヒョコ、と

鯵の干物がやってきた

「焼いて喰うとうまいんだ!」

後を追って白菜がやってきた

「鍋にでもしろや!」

「じゃが芋は、いつでも喰えっから!」

煮しめやお新香もきた

「みそ汁にでも入れろや!」と

長ねぎもきた

焼酎がきて、ビールがきげ

ウイスキーもきて

日本酒もきた

「甘い物もいいべ!」と

羊羹がきて、

最中がきて

ゆべしがせんべいも連れてきた。


こんなところで独りぐらしの爺さんに

優しさが列をなしてやってくる

焼酎のせいで

ホロリ、と、涙がこぼれる
by momofukuoka | 2013-05-24 15:30 | 被災地の方々からの手紙
 〈チューリップ〉

名前も聞かないでしまったけれど

ありがとう!

チューリップたちは

気持ち良さそうに

顔を出しました

雲雀とでも

おしゃべりをしているのでしょうか

女子大生が三人

来るとも

来たとも言わないで

楽しげに

雑草をむしっている

仮設住宅の誰かと

話をする訳でもなく

声をかけたら

あどけなく笑っている

夕暮れ時には

そのまま帰ってしまったのか、

チューリップの回りの雑草は

きれいに片付いていた

花が咲いたら、又来てほしい

ありがとう、と言いたい


又、会えるね、きっと・・・。

(東三河から来てくれたあなたたちへ)
by momofukuoka | 2013-05-23 15:28 | 被災地の方々からの手紙
 〈乙女の祈り〉

大阪からあなたは来た

「ナニカ、オテツダイ、デキマセンカ?」

差し出された小さな「ボード」に

ボクは「来てくれてありがとう!」と

走り書きをする。

何をしてくれなくても

何も言ってくれなくても

微笑んで頷いてくれただけで

あなたの思いは

仮設のみんなの心を

優しく包みました

あなたに会えて良かった

並んで仮設周辺のゴミを拾ってみる

あなたの優しさで

涙はもう渇れそうです


ボクは、今日、素敵に出会いました


(大阪から来た、難聴の乙女へ)
by momofukuoka | 2013-05-22 15:20 | 被災地の方々からの手紙
〈停電〉

慌ただしく人が動き回る

「ダイジョウブカナ!」

「何処へ逃げればいい!」

仮設住宅は

異様な緊張が走る

震災から二年が過ぎて

三月十八日

東京電力

福島第一原子力発電所

停電

使用済み核燃料プールの

温度計が不気味に上昇る

「ダイジョウブカナ!」

「何処へ逃げればいい!」

不安が加速する

とりあえず給油だ!

ガソリンスタンドには

長蛇の列ができた
by momofukuoka | 2013-05-21 15:10 | 被災地の方々からの手紙
 〈放射能汚染水〉

他人事のように報じられている

地下貯水槽の水漏れがつづく

もう少しがんばれば

戻れると微かな期待をもった

三年目の春

遠いどこかの出来事のような

思いもよらない汚染水の流出

又、ふるさとが遠ざかる

又、ですか

いつまで待てばいいのですか

もう駄目なんでしょうか

どうすればいいのですか

一体誰のせいですか

答えはどこにあるのですか

汚染水は、好むと好まざるとに

かかわらず、海を汚すでしょう

知っているのなら

教えてください

尋ね先は東京電力でいいのですか


ふるさとが

だんだん

ふるさとが遠ざかる
by momofukuoka | 2013-05-20 14:50 | 被災地の方々からの手紙
〈無題〉

転々と避難所から避難所へ

何度も何度も繰り返し

ようやく、辿り着いた仮設住宅

四畳半一間の不自由に囲まれた、

異様な空間。

眠れない夜がつづく

苛立ちと絶望が交差する先の見えない不安

「もう、だめだ! 頭が変になりそうだ!」

昨日そう言っていた人が

フラフラと今日も歩いている

こんな事をこの先、

何年繰り返せばいいのだろう

「頑張れ!」と言われても、

「立ち上がれ!」と言われても

「前を向け!」と言われても

どこへ向かって進めばいいのだろう。

折角、震災の中を生き延びたというのに

自らの命を絶つ人が後を断たない。

そういうボクも紙一重の毎日、

そんなボクの折れそうな心を

支えてくれたのはあなたです。

日本中のあなたのはげましや支援のおかげで

辛うじてここにいます。

たすけてくれて「ありがとう!」

助けてくれる人が居るから

「すごい!!」

そのやさしさがうれしい、

心強い。

その感謝の気持ちを伝えるために

精一杯の強がりと

精一杯の笑顔で

「がんばります!」

「負けません!」と

差し伸べてくれたあなたの手を握りかえします。
by momofukuoka | 2013-05-19 17:48 | 被災地の方々からの手紙
 〈突然の病〉

地震だ!

津波がくる

原発(原子力発電所)が爆発した

逃げろ!

子供達は

家は大丈夫か?

遠のく意識

パニックを起こした、脳みそ

薄れゆく意識の中で

震災の記憶がかけめぐる

夜が過ぎ

朝が過ぎ

二日目が過ぎた

倒れたままのトイレの中で

遠くに携帯電話の呼び出し音

「ここに居るよ」と思いながら

空しく時間が過ぎて

又、携帯の呼び出し音

焦る気持ちとは裏腹に

手が、足が

身体が動かない

又、しばらくして

「明かりがついてる」と誰かの声

玄関のベルが鳴る

何度も何度も繰り返し鳴るベルの音

「助けてくれ、ボクはここに居る」

叫んでいるはずの声は

喉の奥で消えてゆく

時は容赦なく流れて

確実に近づいてくる

死の足音

外でみんなが騒いでいる

「郵便が溜まってるぞ」

サッシの窓を

誰かが激しく叩いている

悲痛に叫ぶ姉の声

「きてくれてありがとう」

声をふりしぼるが届かない

とめどなく涙がこぼれる

姉の声が、足音が遠ざかる

それからどれだけの

時が流れたのだろう

「ガタ!ガタ! バリ!バリ!」と

玄関を打ち破って

入ってきた見知らぬ人

絶叫する姉の顔

普段、とりたてて

話すこともなかった

仮設住宅の人が

ボクを助けてくれた

かすかに聞こえる救急車の音

何度となく

死を覚悟しながら

助け出されたこの生命

これからどう生きたらいいのだろう
by momofukuoka | 2013-05-18 17:52 | 被災地の方々からの手紙
〈無題〉

例えば、

ここでこのまま私が

死んだとしても

驚かないでください。

慌てないでください。

あの日(震災)

別々のくらしが始まった時から

わたしには覚悟ができています。

仮設に移ってから

二回目の冬がきて

一人ぐらしは

思っていたより

遥かに辛いものです。

灯りを消して

滑り込んだ布団の中で

訳もなく涙がこぼれたり

大声で叫ぶ苛立ちもある

それでも仮設住宅は

嫌なことばかりではなく

八〇歳過ぎの

汚い婆さんに

優しく声をかけてくれる人がいたり

散歩に誘ってくれたりもする

カラオケが年甲斐もなく

楽しかったり

嬉しかったり

心が弾んで

臆病者のわたしが

身の上話をしたり

ここでのくらしも

満更でもなく

確かに先の見えない

不安がない訳ではないが

まぁ、こんなものかと・・・・・。

例えばここで、

このまま死んだとしても

決して不幸だなどと

嘆かないで下さい。

力一杯に生きてきたのだし、

これから先も

わたしの身の丈分の

がんばりで

しなやかに、したたかに

笑って生きていくのだから

心配はいらない

笑顔は流行病のようなもので

他人には直ぐ移るものだから

笑ってさえいれば

そのうち又、

わたしに戻ってくるよ。

案外と

八〇歳過ぎの婆さんも

逞しいものさ

心配はいらない。



           子供達へのメッセージ
by momofukuoka | 2013-05-17 18:02 | 被災地の方々からの手紙